経理として働く中で、よりスキルアップしたい、転職を目指したいと考える場合に取得を目指したい資格についてご紹介しています。「キャリアアップ・年収アップしたい」「外資系企業の経理として活躍したい」「特定の業界でスペシャリストを目指したい」など、それぞれの希望に対しておすすめの資格をまとめました。
資格を取得した場合、実務に役立つ知識を身につけられる点、さらにスキルアップもできる点などがメリットとして挙げられます。
勤めている企業によっては資格に応じた手当が支給されるケースがありますし、転職をしたいと考えている人は、資格を取得することで自分のスキルをアピールしやすくなります。また、スキルだけではなく仕事に対する熱意もアピールできます。より高度な知識を求められる専門職を目指す場合にも、資格の取得により転職活動を有利に進められるケースもあるでしょう。
キャリアアップや年収アップをしたいと考える場合には、実務経験を積むほか、資格の取得を行うのも重要なポイントになってきます。ここでは、おすすめの資格をご紹介します。
日商簿記は、多くの企業において採用や人事制度などに取り入れている資格です。経理の求人でも日商簿記の資格が条件としているケースも多くみられます。
この資格は、企業の経営活動の記録・計算・整理により、企業の経営成績と財政状況を明らかにするスキルを図るための試験です。資格取得によって、会計知識や財務諸表を読む力、基礎的な経営管理・分析力を身に付けられます。
日商簿記は1級から3級までありますが、2級や3級と比べると出題範囲が広く難易度が高いことから、合格率は10%とされています。
経済産業省の発案による、経理や財務に関する実務知識や、スキルの習得度を測る検定試験です。資産分野、決算分野、税務分野、資金分野から構成されており、検定では経理・財務部門における実務に直結した内容が出題されることから、実際の業務で役に立つ知識を身に付けられます。
また、試験は合格・不合格ではなくAからEの5段階で評価されるため、実務知識やスキルの習熟度を証明しやすいメリットがあります。公式の教材としてe-ラーニング講座も提供されており、独学でも検定対策が行えます。
会計・税務について専門的な知識・技能を持っている点を証明できる国家資格です。個人や企業の財務諸表の監査や税務相談などを行えることから、企業の財務情報の信頼性を保証する、重要な役割を担当できます。
国家3大資格のひとつと位置付けられており、医師や弁護士と並び難易度が高い資格となっています。経理とは仕事内容が大きく異なりますが、公認会計士も簿記や会計に関する知識が求められます。そのため、公認会計士の資格取得に向けて勉強中という点は、転職活動においてアピールポイントとなる可能性もあります。
税務のスペシャリストとしての知識と技能を証明できる国家資格であり、主な業務は税務代理や税務書類作成、税務相談などが挙げられます。独立も目指せますが、その知識を活かして会計事務所や企業の経理部などで働くこともできます。こちらも難易度が高い資格となっており、試験に向けて長期的な計画を立てて勉強を進めていくことが大切です。
日本CFO協会とパソナによって共同開発された資格です。経済産業省の「経理・財務サービススキルスタンダード」に準拠しており、経理の知識・スキルを証明できます。
試験は3つのレベルがあります。その中で2級は通常の経理・財務業務が行えるレベル、1級は取引に関わる事務処理や月次処理など一連の処理を行えるレベルと位置付けられています。
日本商工会議所により行われている検定で、会計ソフトやe-taxの操作スキルや簿記に関する知識を証明できます。2005年から実施されている資格であり比較的新しいものですが、近年ではIT化が進み現場で会計ソフトが使用されるようになったことから、こちらの検定でも会計システムに関する知識も重要視されるようになっています。
公益社団法人全国経理教育協会(ZENKEI)によって認定が行われている資格です。その名の通り、消費税に関する知識や会計処理時における取り扱いや、税務署に提出する書類作成などのように、税務処理を行える知識や応用的な税務処理に関連する知識が問われます。
資格取得によって、消費税に関する理解を深められる点に加えて書類作成に関わる知識も学べるため、実際の業務に役立てられます。
2010年に開始された比較的新しい資格です。一般社団法人日本IPO実務検定協会によって実施されている資格であり、上場企業における財務報告書類作成に対する実務能力について証明できます。経理業務では会社の業績動向を把握したり、状況を適切に書類に落とし込んだりする能力が求められるため、財務報告に関するスキルアップにつながることが期待されます。
外資系企業の経理として活躍したいと考えている場合には、以下の資格取得を目指すことがおすすめです。
国際コミュニケーション英語能力テストのことであり、日本では一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が運営しています。合格・不合格ではなくスコアによって英語力の評価が行われる点が特徴です。
どの分野においても役立つ資格と言えますが、経理業務においては財務報告や会計監査の分野で英語を使ったコミュニケーションが求められる場面もあります。この点からも、会話でも十分に英語力を示せる700〜800点ほどを目指すことがおすすめといえます。
米国各州が認定する資格であり、米国における会計基準や税法、ビジネス環境に関連する知識について証明できます。取得するには国際的な会計基準にも精通している必要があるため、グローバル企業の経理職などにおいて高い評価を受けられます。経理はもちろん、会計監査や財務コンサルティング、国際会計などのキャリアを検討している場合におすすめの資格です。
米国内国歳入庁によって認定が行われている資格であり、英語力と米国の税務知識を証明できます。それぞれの州によって受験資格が異なりますが、グアムやワシントン州の場合は日本国内でも受験可能です。
こちらの資格を取得した場合、税務知識に加えて英語力を持つ人材として評価されます。会計事務所や税理士法人など、アメリカ基準を採用している企業へ転職する場合に有利となる可能性があります。
IMA®が認定する資格であり、米国公認会計士とともに「米国の2大会計資格」とされています。経営に関連する幅広い知識を学ぶことができ、企業内部における管理会計・財務分析・戦略的意思決定の支援にかかわる専門的な知識について証明できる資格です。
コンサルティング業務や企業内の会計・財務・企画部門にて活躍したいと考えている場合におすすめの資格といえます。
経理として働く中で、特定の業界でスペシャリストを目指したいと考える方もいるでしょう。そこでここでは、金融業界や建築業界、福祉業界、農業業界それぞれに特化した資格についてまとめました。
銀行業務検定協会により実施されている検定。試験は法務や財務、税務などに関する実務に関して問われる内容となっており、金融機関を希望する人におすすめです。また、試験には法務、財務、相続アドバイザー、金融商品取引など37の種目が用意されており、個別で取得できます。
一般財団法人建設業振興基金によって実施されている検定です。建設業に特化した経理知識や経営改善能力を証明できる点が特徴です。こちらの検定では、3・4級は「建設業経理事務士検定」、1・2級は「建設業経理士検定」といった形で分かれています。
一般財団法人総合福祉研究会と公益社団法人全国経理教育協会によって共同開催されている検定です。社会福祉法人の会計に特化した内容となっている点が特徴。以前は「社会福祉会計簿記認定試験」という名称でしたが、2022年に「社会福祉会計簿記認定試験」に名称が変更されています。
一般社団法人日本ビジネス技能検定協会が実施している検定です(監修:一般社団法人全国農業経営コンサルタント協会)。こちらの検定に合格することで、農業経営に関わる簿記の知識や技術について証明できます。
こちらの記事では、経理のスキルアップに役立つさまざまな資格をご紹介してきました。資格の取得によって、実務に役立つ知識とスキルを得られるとともに、転職をする場合にもアピールポイントとなる点がメリットです。
経理の仕事をする中で、高収入やより高い専門性を求めて転職を検討している人もいるでしょう。その場合、大企業への転職を目指すという選択肢のほか、上場企業の経理を担う「経理BPOサービス」を提供している企業に転職する方法もあります。下記の記事では、上場企業の経理について紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。