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スケジュール&繁忙期を攻略!経理の働き方

目次

経理の仕事は、概ねどの会社においても繁忙期が存在します。ここでは、経理の仕事のスケジュールと繁忙期の乗り越え方、休日事情などについて紹介します。

経理の繁忙期とは?
スケジュールの特徴と実態

経理の仕事は、月ごとに決まったルーティンがあります。また、一年の中でも決まったスケジュールがあり、これらを期日までに正確にこなすことが求められます。

経理の1ヶ月のスケジュール

月における経理の仕事は、会社のお金の出し入れを記録したり、資産や負債の状況を集計・把握するものです。日次で計上処理や振替を行うこともありますが、一般的には月末~翌月初頭にかけて行われる月次決算でまとめて処理します。以下は、経理のざっくりとした1ヶ月のスケジュール例です。

上旬売上金の請求・回収管理
所得税・住民税納付
前月の月次決算業務
中旬帳簿の確認
月次決算報告書の作成
下旬給与計算
代金の支払

実務の内容は、帳簿の起票や請求書の作成、送付、確認作業など、細かい作業の積み重ねです。中でも留意しなくてはいけないのは、支払いに関するスケジュールです。源泉税・住民税の納付期限は翌月10日と決められています。また、取引先への支払が間に合わないことは会社の信用に関わるため、細心の注意を払って振込作業を実施します。

経理の年間スケジュール

経理の仕事は、月次以外に年次で決められたスケジュールもあります。以下は決算月が3月、株主総会は6月というスケジュールを想定した一例です。

4月前期4Q決算(決算整理)
5月年次決算書類作成
6月税務申告
株主総会(計算書類の整理、利益処分など)
決算公告
有価証券報告書の作成
社会保険料の算定基礎届
賞与計算
7月労働保険更新
1Q決算
8月その他業務など
9月その他業務など
10月2Q決算
11月中間税務申告
12月賞与計算
1月年末調整
給与支払報告書・法定調書の作成、提出
償却資産税申告書提出
3Q決算
2月来期予算立案
3月実地棚卸・残高確認など

経理の仕事は、株主総会の前後(上記の場合は6月)や、年明けの1月が忙しくなるのが一般的です。上場企業や連結子会社のある大企業の場合は、上記には記載のない業務もプラスされます。

一方、比較的規模の大きい企業では、給与計算や年末調整は人事部門が専任で行うケースも多く、経理は計算の終わったデータを伝票処理するだけの場合もあります。このように、経理は会社の規模や組織によっても作業量や内容が異なる点が特徴です。

経理担当者の主な1日の流れ

ここまでは経理の月次・年次スケジュールについて説明しました。経理は、これらの決められた締め切りに合わせてルーティン作業を組み立てます。毎日必ずやらなければいけないタスク自体は多くなく、どちらかというと締め作業に備えた確認作業の比重が大きいと言えます。

午前経費、仮払金の精算
各種伝票の作成
振込手続き
午後領収書・請求書などの証憑確認
帳簿の確認(試算表、支払予定表、残高など)

銀行の窓口は開いている時間が決まっており、ほとんどの銀行は午後3時までに窓口営業を終了します。そのため、窓口手続きが必要な場合は、午前中に準備を済ませてなるべく早めに向かいます。近年はネットバンキングやe-TAXによる税納付を利用する企業も多く、業務効率化が進んでいます。

効率化の鬼「デキる経理」vs「繁忙期の仕事量」

会社によって経理の作業内容や作業量は異なりますが、繁忙期における対策として近年DX化を進めている企業も増えています。現代の経理は、いかに手作業を早く行うかより、ITを乗りこなして業務を効率化することが「デキる」アピールになるのです。

OCRやRPAの進化により
手作業を削減

月末や月初めは、経理の1ヶ月の中でも処理が集中する山場です。社内から集めた証憑をもとに会計システムへ伝票を入力していきますが、近年ではOCR(Optical Character Reader)の文字認識機能による自動入力や、RPA(Robotic Process Automation)による事務処理の自動化が進んでおり、経理部門においてもイチから伝票を手入力するという会社は少なくなっています。

このようにITを経理業務に取り入れることで手作業を極力減らし、人的なミスをなくしつつ効率化を向上させる取り組みが広がっています。

属人化を防ぐ業務フローの確立

上記のような自動化の取り組みとあわせて、業務フローの定期的な見直しも大切です。経理の作成する情報は企業戦略や経営判断の要衝でもあるため、業務の属人化は経営上のリスクとなります。担務や手順、フローを日頃から共有しておくことで、繁忙期にも作業を分散させることができ、個人の負担軽減にもつながります。

仕事が恋人…なんて言わせない!経理の休日

経理の仕事は基本的にカレンダー通りで、銀行や取引先の休業日に合わせて土日祝日に休暇を取ります。あらかじめスケジュールや締め切りが決まっているため、先々の休暇の予定を立てやすい職種です。計画的に業務をこなせば、職場によっては1週間前後の休暇をとることも可能で、ワークライフバランスの実現という意味でも経理の仕事はおすすめです。

経理の精神衛生は
「スケジュール管理」が肝

経理の仕事を楽しく続けるには、「スケジュール管理」が肝心です。経理は、月次・年次の決められたスケジュールに合わせて業務をこなす必要がありますが、ペースがつかめれば自分なりのメリハリをつけた働き方ができるようになります。

ルーティン業務が主とはいえ、経理の仕事にもイレギュラーの事態は発生します。その際、スケジュール管理がギリギリだとイレギュラーを受け止める余裕がなく、焦ったりイライラしたりすることも。精神衛生を保つには、イレギュラーが起きることを想定して、スケジュールにバッファ(予備日)を設けておくことを心がけましょう。

まとめ

経理の仕事は、あらかじめスケジュールが決められているものが多く、繁忙期にはいくつもの重要な作業が重なります。近年では、ITを活用して業務を効率化する流れが加速しており、経理担当者もITをうまく乗りこなすことで繁忙期を攻略することができます。流れさえつかめれば自分のペースで働けるため、ワークライフバランスも取りやすいのが経理の仕事です。

以下では、未経験から「上場企業の経理」にチャレンジしたい方のための情報をまとめています。経理としての新たなキャリアパスを描きたいと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。

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