経理の「やりがい・魅力」探求
目次
みなさんは「経理の仕事」と聞いてどのようなイメージを持つでしょうか？毎月同じ作業を地味にコツコツとこなす仕事なんておもしろくなさそう…と思う人も多いかもしれません。しかし、経理はどんな業態・規模の企業にも必ずと言っていいほど設けられる必要不可欠なポジションです。ここでは、経理の仕事のやりがい・魅力について深掘り解説します。
経営に近いポジションで
活躍できる
「経理」というのは「経営管理」の略であり、その名の通り、企業の経営にかかわる重要な役割を担っています。
経営判断・意思決定に必要な
情報をまとめる
基本的な経理の仕事は、企業の取引や金銭の動きを記録して管理することです。1ヵ月ごとに数値をまとめて月次決算を行い、年一度は年度決算によって企業の収支や財務状況を取りまとめます。決算により作成された資料は経営層によって確認され、自社の経営に必要な判断、意思決定をサポートという重要な役割を果たします。
社外に開示する計算書類の作成
決算時に作成される計算書類は、社内だけでなく社外のステークホルダーに向けても開示されます。上場企業における計算書類は金融商品取引法上の「財務諸表」に位置づけられ、株主や投資家、債権者などが企業の経営状態を知るために欠かせない情報です。虚偽の決算報告には重い罰則も規定されており、決算書作成はミスが許されない非常に重要な仕事です。
お金の流れ全般を把握する
スキルが身につく
経理の仕事は、お金の流れを把握するスキルが身につきます。今手元にあるお金だけでなく、これから入ってくるお金や出ていくお金について考え、キャッシュフローを安定させることは経営の安定につながります。
税金や社会保険に
詳しくなれるチャンス
経理では、法人税や消費税、所得税、住民税などの税金を、適切に計算したうえで国や自治体に納付します。所得税や住民税は通常給与から天引きされるため、よくわからないうちに引かれていると感じる給与所得者も多いことでしょう。経理では、人事と連携して税や社会保険料を扱いますので、どのような仕組みで天引きされるのかを知ることができます。
営業など花形部署から
感謝されたときの充実感
経理は、パソコンに向かって作業することが多く、地味な仕事と思われがちです。しかし、会社の信用にかかわる重要な役割を担っており、ときにはイレギュラー対応で他部署のピンチを救うこともあります。
ケース1 明日までに振込しないと納品が間に合わない！
通常のビジネスでは「掛（かけ）取引」が基本であり、先に商品やサービスの提供を行い、あとから請求書を発行してお金を振り込んでもらうケースが一般的です。しかし、掛取引に応じず、先に支払いがないと商品やサービスを納品しないというスタイルの会社も時折存在します。
そのような場合は、社内でしかるべき承認手続きを経たあとで、経理がイレギュラーに月内振込を行います。「明日までに振込しないと納品が間に合わない！」というようなピンチを救い、ビジネスチャンスをひろげるお手伝いをするのも経理の役割です。
ケース2 大事な売上金を
もれなく回収！
経理では、売上の回収状況について毎月チェックしています。支払期限までに売上金が振り込まれるのが基本ですが、相手によっては支払期日までに入金されないことも…。そんなとき、取引先に対して積極的に問い合わせをすることで、大事な売上金をもれなく回収するのも経理の仕事です。
効率化のスペシャリストになれる
経理の仕事はある程度ルーティン化されており、業務の効率化を進めやすい部門でもあります。また、経理を起点とした取り組みが全社的に広がり、他部署の業務効率化に役立つこともあります。
法改正への対応で効率化が促進
経理は、税法や会社法、金融商品取引法などの法律を遵守しなくてはなりません。そのため、法改正のたびに内容を確認し、ときには業務フローを見直す必要があります。直近では、電子帳簿保存法の改正によって、従来手作業でできていた業務が追いつかなくなりDX化をすすめるきっかけとなった企業も多いはずです。このように、経理は常に業務の安定性と効率化を考えることが求められる部署なのです。
全社的な効率化の旗振り役
経理は、社内のすべての部署と関わる仕事です。たとえば、各部署から提出される経費精算のミスを減らす取り組みは、経理だけでなく各部署・担当者の効率化にもつながります。また、領収書や請求書のペーパーレス化といった取り組みを通じて、各部署でもペーパーレス化推進の動きがうまれ、紙代の削減や業務効率化につながる可能性もあります。このように、経理から全社に効率化の波が届くことで、会社全体の生産性アップにも寄与できます。
「正しくて当たり前」の任務を
遂行したときの達成感
経理は会社の数字を扱う重要な役割だけに、「正しくて当たり前」というプレッシャーを常に感じる仕事です。なによりも正確さ、そして期日までに仕上げる迅速さが求められ、両立できたときの達成感はひとしおです。
基本に忠実に仕事することの
大切さを学べる
経理は専門的な仕事だと思われがちですが、基本的なルールに則って行うため、覚えてしまえば難易度はそれほど高くありません。簿記の知識があれば自分で考えて仕訳を切れるようになりますし、税額計算や決算書作成などの複雑な作業は外部の税理士に委託している企業も多くあります。難しいことは考えすぎず、まずは基本に忠実に作業することが経理の役割をまっとうする近道となります。
企業の「保守係」としての
役割を実感できる
経理をはじめとする管理部門は、いわば企業の保守係です。ミスやトラブルがないのは当たり前のことで、営業のように成果が目に見えるわけでもないため、ハッキリとした達成感を感じることは難しいかもしれません。しかし、経理は業務を通じて自社の経営状況を知ることができるため、企業の成長の手ごたえを感じられるポジションでもあります。
まとめ
経理の仕事は、どの会社にも欠かせないポジションであること、会社の経営判断にかかわる資料を作成する重要な役割を担っています。しかしながら、経理の仕事自体は基本ルールに従って処理を進めるものなので、高い専門性がなくても道は開けています。
以下では、未経験から「経理」にチャレンジしたい方のための情報をまとめています。経理としての新たなキャリアパスを描きたいと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
