ここでは、業務を通してキャリアアップできる「経理の仕事」についてまとめています。簿記資格はあれど実務未経験で経理を目指す方も、会計スキルを上げたい現職の方もご参考ください。
一般的な会社の経理は、会社のバックオフィスを支える人材の中でも専門性の高い職種です。会計や税務の知識が必要とされるため、他職種のように積極的なジョブローテーションの対象となりにくいという特徴があります。
安定したポジションで腰を据えてじっくり働きたいという人には向いている職種ですが、一企業で経験できる経理業務の内容には限りがあるため、同じところに居続けることでスキルが限界に達するいう懸念もあります。
経理は、自社の事業や利益構造について数値で理解できる仕事であり、経営層との距離も近く、資質によっては幹部に登用されるキャリアパスも珍しくありません。
近年は日系企業でもCFO(Chief Financial Officer・最高財務責任者)の役職を設ける会社が増えてきました。
CFOは単なる経理・財務部長とは異なり、財務的な戦略を経営戦略の中に取り込むことのできる経営者の一員として、ハイクラス転職の市場においてもニーズの高い人材です。
一般的な企業の経理職は、月次・年次の業務スケジュールがおおよそ決まっています。月次の業務については、半年程度繰り返せば慣れることができるでしょう。
月中で忙しいタイミングや落ち着くタイミングが分かってくれば、計画的に休暇をとることもできますし、心の余裕もできて「仕事が楽しい」と思えるようになるでしょう。
一方、年度決算は年に1回しか経験するチャンスがないため、作業の手順や内容がなかなか記憶に定着しないこともよくあります。3回程繰り返せばようやく板についてきますが、一般的な企業ではおおよそ3年かかる計算になります。
経理の仕事は、企業の活動によって生じたお金の流れを帳簿に記録することです。ほとんどの企業ではシステムが導入されており、自社のルールに従って仕訳が自動化されているケースも増えています。
事業規模が大きくなるにつれて処理の量も増えてきますので、大企業ほど自動化・効率化が進んでいます。そんな中で、経理は自動化できない処理をしたり、間違いを修正したりする役割を担います。
そのため、入力のシステム化が進んでいたとしても、簿記に関する基本的な知識が不可欠なのです。
簿記とは、お金や資産の出納を記録して、企業の経営や財務状況を明らかにするための技能です。ビジネスにおける簿記検定としては、日本商工会議所が主催する「日商簿記」が有名で、3級は商業簿記の基礎、2級では商業簿記・工業簿記の二つの領域から出題されます。
企業の経理担当者としては、日商簿記2級程度のスキルが求められることが一般的です。
株式会社日経HRが運営するWebメディア「日経転職版」の会員データ(2020~2022年)によると、「経理・財務・会計」の平均年収は541.5万円という結果でした。
年代別にみると、20代は431.5万円、30代は605.5万円、40代は701.4万円と、年齢が高くなるにつれて増えていき、平均年収の高い年代は60代の888.9万円となりました。
経理の市場価値は、処理できる会計業務のレベルによって決まります。経験年数が多いほど高度なスキルを身につけているケースが多いため、年齢が高くなるにつれて平均年収が高くなります。
その逆に、年齢だけを重ねてもスキルが限界に達している場合、市場価値も同様に頭打ちとなります。
経理のキャリアパスとして考えられるのは、経理・財務部門の管理職として自社の中でキャリアを極めるパターンと、さまざまな企業のアカウント業務に携わり、経理のスペシャリストとして腕を磨き続けるパターンです。
広く能力が認められれば、CFO(最高財務責任者)として地位を築くことも夢ではありません。
参照元:日経転職版公式サイト(https://career.nikkei.com/feature-job/0202011/002451/)
経理の仕事は、企業規模や連結対象会社の有無によって業務範囲が異なります。単体決算とは、1つの企業における決算業務を指し、自社における一年間の歳入・歳出を会計処理したうえで、収支報告を行うものです。
連結決算とは、自社の子会社やグループ会社の単体決算をまとめたうえで、グループ全体の収支として報告を行うための決算方式です。
会社法上の大会社(資本金5億円以上または負債額200億円以上)で有価証券報告書を提出している会社は、法律により連結決算の適用が義務づけられています。
子会社やグループ会社の単体決算をただ合計しただけでは連結決算とは言えません。一般的に、連結対象会社の資本金は親会社の投資によるものですので、財務諸表上の資本と負債を連結修正仕訳にて相殺します。
また、グループ間の債権債務や取引高についても全体収支の透明性を担保するために相殺処理が必要です。たとえば、子会社Aから子会社Bへ100万円の売上があっても、実質は同じ会社の中でお金が移動したにすぎません。
これらを相殺したうえで、実態に即した決算報告をステークホルダーへ開示するための作業が連結決算業務です。
連結決算業務により、グループ全体の決算報告を取りまとめ、投資判断に必要な情報を公開するのが“開示業務”です。
開示される書類は、会社概況や事業・設備などの状況を記した「有価証券報告書」や、四半期ごとの状況を速報的にまとめた「決算短信」などがあります。
一般的な大企業では、投資家向けの広報業務を行うIR(Investor Relations)部門があるのが一般的ですが、コンサルティング企業によるアウトソーシングを採り入れている企業も少なくありません。
以下では、未経験から「上場企業の経理」にチャレンジしたい方のための情報をまとめています。経理としての新たなキャリアパスを描きたいと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
経理の業務内容は、会社によって異なります。特に、業種によって経理に求められるスキルの内容も異なるため、異業種への転職を考える際には、どのようなスキルが求められているのかを確認しておく必要があります。
以下は、業種ごとに求められる経理の知識および業務スキルの一例です。
| 製造業 | 原価計算、予算と実績の差異分析 |
|---|---|
| 建設業 | 工事契約に関する会計基準ルールに応じた収益認識 |
| 運輸業 | 車両・倉庫などの固定資産管理 積込日・検収・航海完了など複数の収益認識基準 |
| 不動産業 | 不動産の種類に応じた勘定科目と税務処理 賃貸借(リース)、長期開発における収益認識 |
| 金融業 | 金融商品の評価、外国為替取引 |
| 保険業 | 保険金支払いに備えた準備金計上 |
| 外資系企業 | 本国通貨のレート処理、為替差損益 本国の決算期や会計基準への準拠 |
企業で経理の仕事をしながら「転職したいなぁ」と考えている人は、今の仕事に対する物足りなさを感じているのではないでしょうか。急な事業方針の転換などがない限り、一つの企業で経験できる経理業務の範囲は決まっています。
慣れてくると同じことの繰り返しになり、経理としてのスキルは頭打ちになるケースが多いです。そこで新たな環境を求めて転職先を探しますが、高い向上心をもった転職理由も企業からすると「慣れたらまた辞めてしまうのでは…」という懸念材料になってしまいます。
そこで考えたいのが、「経理のプロフェッショナル」としてのキャリアパスです。一つの企業の経理担当者として働くのではなく、大手企業の経理業務をアウトソーシングしている会社で「経理のプロ」としてスキルアップを図る方法なら、会社を転々とする必要がありません。
短期間に多様な企業の経理業務を経験することで、着実にスキルが身につき、その後のキャリア形成にも有利になります。
「経理の仕事って何がおもしろいの?」「経理のやりがいって何?」用語が専門的で、周囲からは何をやっているのか分かりづらい経理の仕事。そんな経理のやりがいや魅力について深掘りしてお伝えします。
「経理の仕事ってなんだか大変そう」「いつも忙しそうで声をかけていいか分からない…」常にパソコンに向かっていて業務内容が分かりづらいせいか、多忙に見られがちな経理の仕事。実際には決まったスケジュールに沿って進行しており、決算月なども決まっているため毎年同じ繁忙期を迎えます。
経理は、簿記の知識が必要とされるため、専門性の高い業務だと考えられています。その反面、基礎知識さえあればどのような会社でも即戦力になれる可能性のある職種です。
ここでは、そんな経理業務の面白さや奥深さ、経理としてワンランクUPする人の特徴などをご紹介します。