これまで営業として働いてきたものの、今後は経理の仕事をしたいと考える方もいるのではないでしょうか。こちらの記事では、営業から経理への転職はできるか?という点を取り上げて解説。どのようなスキルが求められるのかも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
営業職から経理職への転職は可能ではあるものの、簡単なものではないという点はあらかじめ認識しておくことが必要といえます。そのため、転職活動を行う場合には、しっかりと準備をする必要があります。ここでは、経理職への転職を考える場合に押さえておきたいポイントをご紹介します。
未経験から経理職への転職を検討している場合には、可能な限り早めに行動することが大切です。これは、経理職では将来を含めた採用が行われるケースもあるためです。もし20代で経理職として仕事をしたいと考えている場合は、できるだけ早く動くのがおすすめです。
また30代・40代の転職では、即戦力としてのスキルが求められるため、未経験だと難しい可能性もあります。このような理由から未経験で経理への転職を考える場合には、早めに行動することが大切といえます。
中には、経理としての経験があっても転職活動がうまく進まないケースもあるとされています。経理職の求人条件を見てみると、「実務経験○年以上」などの条件が設けられていることがあります。このような企業の場合には、経験者であっても経験年数の面で条件を満たせない場合もあるかもしれません。
ただし、中には「経理未経験者歓迎」としている求人もあるため、未経験の人は特によく求人内容を確認することが必要です。
営業から経理に転職するメリットはさまざまなものが考えられます。ここでは、どのようなメリットがあるのかをご紹介していきます。
営業職と経理の大きな違いとして、経理の仕事には基本的にノルマがない点が挙げられます。売上をどれだけ上げるかではなく、日々の仕事を正確にこなしていくことで評価されます。そのため、営業職として働く中でノルマが大きな負担となっていた人にとっては、経理に転職した後は自分のペースで働けることが多く、精神的なゆとりも感じられると考えられます。
営業職だった頃のように外部の人や顧客と関わる機会はどうしても減りますが、経理として働いた場合には逆に社内の人と交流する場面が多くなります。また、例えば経費精算ひとつを取っても、社内全体の従業員とのコミュニケーションが必要になりますので、つながりが生まれやすくなります。
さらに経理部内にてコミュニケーションを取ることも必要になりますし、税務対応のために社外の人との関わりもありますので、これまでとは異なる人とのつながりを得られます。
経理の仕事は、さまざまな知識やスキルが求められる仕事です。もちろん、業務に必要な知識を自身で得る努力も必要ですが、働いている間に獲得できる知識やスキルも多いといえます。しかも、簿記のルールはどの企業でも共通であるため、簿記の知識を身につけられれば転職で有利に働くこともあります。
以上から、経理として働けるだけの知識とスキル、経験を積むことによって、他企業の経理職への転職も可能になります。
急な残業や突発的な仕事が発生しにくいのは、経理の特徴のひとつです。営業職の場合には、顧客都合で動かなければならない部分があり、どうしても残業や休日出勤などが発生しやすいといえます。そのため、経理として働いた場合には、ワークライフバランスをとりながらの仕事がしやすいと感じるはずです。
経理として働く上で求められるスキルには、下記のようなものが挙げられます。
簿記は経理の仕事に欠かせないスキルです。新しく簿記の勉強をする場合には、商業簿記の基本的なスキルを問われる3級から始めるケースが多いといわれています。3級は小規模な企業であれば、適切に経理業務が行えるレベルとされています。
ただし、転職活動にてアピールする場合には、商業簿記に加え、工業簿記の知識も問われる2級を持っている方が評価される傾向があります。
経理職は企業の金銭関連に携わるとともに、経営者に対して経理の面からアドバイスを行うケースもあるため、論理的に分析が行えるスキルが求められます。
ただ、経理的な視点を持って経営者などに助言ができる人材は多くないことから、企業にとって有益なアドバイスができる分析力を持った人材は、さまざまな企業から重宝されると考えられます。
コミュニケーションスキルは、経理の仕事を進める上でも非常に重要であるといえます。これは、経理部のメンバーだけではなく、各部署とのコミュニケーションを取る必要があるためです。
単に書類作成やデータ入力のみを行うのではなく、他部署との連携が求められますので、いかに円滑にコミュニケーションが取れるかが大切になってきます。
パソコンに関するスキルも経理の仕事では必須となります。特にWordやExcel、PowerPointなどのソフトを使いこなせれば、業務も効率良く進められます。もし、これからパソコンスキルを身につけたいと考えるのであれば、「MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)」の資格取得を目指すことがおすすめです。
これまで営業として働く中で培ってきた知識やスキルには、経理の仕事でも活かせるものもあります。どのようなスキルが活かせるのかを見ていきましょう。
経理の仕事でも、コミュニケーションスキルが求められる点は前述の通りです。この部分で、これまで営業としてさまざまな人と関わる中で培われてきたコミュニケーションスキルを活かせます。
営業職では、取引先とのビジネスコミュニケーションにおけるスキルが身につきます。そのスキルは、社内にて他の職種の人とのコミュニケーションを円滑に進める上で多いに役立つと考えられます。
営業職として、ノルマを常に意識してきた方も多いのではないでしょうか。このような点から、営業を経験してきた人は数字への意識が非常に高いといえます。経理も企業のお金の流れを管理するため、仕事上数字を多く扱うことに抵抗がない点は重要なポイントです。
経理の仕事ではノルマを課されるなどのように数字を追うことはありませんが、決算期など1年のうちには繁忙期があります。このような繁忙期でも業務をやりきるタフさが必要となります。これまで営業として数字を追う中で身についてきたコミット力やタフさは、経理の仕事を進める上で役に立つ場面があると考えられます。
営業から経理に転職したい場合には、いくつか注意点が挙げられます。下記のような点を意識してみてください。
仕事を進める上で数字を常に意識するという点は、営業も経理も同じといえます。そのため、営業職では目標達成に向けてどのように行動をしたのかを伝えながら、常に数字を意識しながら仕事に取り組める点をアピールすることがポイントです。
「営業は忙しすぎる」「ノルマが辛い」などネガティブな内容を転職理由にしないように注意が必要です。面接でこのような理由を挙げた場合、仕事を継続できるのか、また仕事への意欲があるのかといった点で面接官に不安を与えてしまいます。そのため転職理由としてはポジティブな内容を話すことが大切です。
こちらの記事では、営業職から経理職への転職は可能か?という点についてまとめてきました。営業職として培ってきた知識やスキルの中には、経理の仕事でも活かせるものもあります。そのため、経理として転職を考えるのであれば、自分が持っているスキルの中で何が活かせるのか、さらに何が足りないのかをしっかりと把握した上で転職活動を進めていくことが大切であるといえます。
以下では、経理としてのキャリアを積んでいきたい人向けに経理のキャリアパスやキャリア形成の仕方についてまとめています。新たなキャリアパスを描きたいと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。